2006年08月27日

私の周囲から在日1世がいなくなった

少し前に、母方の祖母がなくなった。
これで私の周囲に在日1世はいなくなった。

今回は少し、祖母のことについて書くことにする。
書くべきかどうか少し悩んだが、書くことにした。 

祖母は88歳でなくなった。
なくなる数年前から病院に入院したきりだったが、
突然、様態が悪くなった。

最初に日本に来てから70年弱、祖父は早くになくなったが、
私の母を含めて子供は4人、孫は9人、ひ孫も5人いる。
少し甘えん坊なところのある人ではあったが、悪人ではなかった。

もともと何か思うところがあって、祖母は日本に来たわけではない。
祖父の考えで日本に来たようだ。
祖母が祖父と結婚したのは、20歳そこそこのときだったらしいので、
結婚してしばらくして日本に来たのだろう。
貧しかったから日本に渡ってきた原因ではないかと思う。

日本に来ても祖母の生活は楽ではなかった。
大分年を取ってから聞いた話なので、よく分からないところもあるが、
日本に来てからは、木の皮を剥いでそれを売って生計を立てていたという。
日本に来てからも貧しかったのではないかと思う。

その後、母やその兄妹が日本で生まれたが、その後韓国に戻った。
このころ戦争があったはずだ。
それからまた祖父と祖母は日本にやってくる。
韓国での暮らしが相当に貧しかったからのようだ。
小さな子供を連れての移動はたいへんなものだったようだ。

二度目に日本にやってきてからは、夫婦でゴミ拾いをして暮らしていた。
その後、豚を飼うようになる。
私の記憶に祖母の姿が出てくるのはこの頃からだ。
すでに老齢に入り始めていたが、祖父がなくなったこともあり
家族を支えるために懸命に働いていた。

その後、子供が全員働き始めてからは、豚を飼うのを止めて
それなりにのんびりと暮らしていた。
働かなくてよくなってからの趣味が畑仕事だったのは
ちょっとおかしかったけど、野菜を育てては私の家族に配ったりしていた。

それから体を悪くして、長く入院するようになった。
人生の後半戦は病気との闘いだったのかもしれない。

弱気なところもあったが、普通のばあさんだったと思う。
その祖母とも、もう話す機会はなくなった。
あのしわだらけで白い髪の顔を見ることもない。

祖母が母に語った最後の言葉は
「話したいことがまだたくさんある」というものだったそうだ。
私が祖母と話したのは今年の正月が最後だった。
きっと私とも話したりないことがあっただろうが、
それも無理になってしまった。

私のようないわゆる在日韓国・朝鮮人として生まれた人間が
在日1世と話せる時間はもうそれほど残っていない。
在日2世、3世、4世はできるだけ1世と話すべきではないかと思う。
いなくなったら話せないのだから。

そんなに堅苦しいこと考えなくても、自分のじいさんやばあさん、
健在ならひいじいさんやひいばあさんと時間を見つけて話すのは、
それほど不思議なことでもないだろう。
生きている時にしか話すことはできないし、
在日韓国・朝鮮人が日本で暮らすまでの経緯を聞くのは、
やや無責任な書き方になるが、きっと面白いはずだ。

ほとんどの人たちは普通に暮らしている。
その声が社会で広く取り上げられることはあまりないが、
海を越えて異国で暮らした人生を聞く意味はあると思う。
海を越えず自国で暮らした人生も同様だけど。

少なくとも、ネットの一部に広がるいい加減な情報を信じるよりも
はるかに意味があるものだと私は考える。

この話を書くことにしたのも、ごく普通の在日1世のことが
ほとんど語られたり、書かれたりしていないと思ったからである。
あなたが聞かなければ、それは失われてしまう。
なんか説教くさいけど書くことにする。

ここからはコメントに関するお願いです。
最初にコメントを書かれる際には、
自己紹介を一緒に書いてもらえないでしょうか。
年齢とか、学生なのか社会人なのか、簡単な考え方とか、
なぜ在日に興味を持つのかとか、そういったことです。
ご自身のblog、ブログがあるようなら紹介してもらえるとありがたいです。

理由は、私がこのblog、ブログへの関心を高めることができる、
という個人的なものです。
とりあえずしばらくは継続したいので、皆さんのご協力をお願いします。
コメントの内容をさらに深く理解するヒントにもなると思います。

もちろん、無理に自己紹介をお書きになる必要はありません。
その場合は、書きたいことだけをお書きになってください。
あくまでも私からのお願いです。よろしくお願いします。

また書き込む際の名前は同じものにしてもらえるとありがたいです。
posted by knj at 23:57| Comment(9) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
30代、女性、クウォーターです。
以前から読ませて頂いておりましたが、初めてコメントさせて頂きます。

母方の祖父が韓国からやって来たのは恐らく70年ほど前。
留学生として来日し、日本人の祖母と知り合い、結婚したときいています。
私が物心ついた頃には既に帰化していて、日本語も普通に話していた祖父。
私が中学生になるのを待って、母が祖父の過去を話してくれましたが、時すでに遅し。
祖父はとっくに他界していました。

大人になって思うのは、祖父から韓国の話を聞きたかったということ。
家庭では韓国の話は一切せず、普通の日本人のように暮らしていた祖父ですが、
きっと話したい事がいっぱいあったと思うのです。
私たち親戚が知っているのは日本人としての祖父だけ。
在日としての祖父が何を考え、生きていたのか全く分からないのです。

祖父がもっと長生きしてくれていたら・・・・・今でも時々残念に思います。

Posted by 黄 at 2006年09月02日 01:48
50代に突入したばかりの、在日2世。
時々訪問して、色々考えながら読んでいます。

そう、在日1世はどんどんいなくなっていきます。話を聞く機会が減っていきます。日本にやって来て、どれほどの口に出さない思いがあるのかを考えるとき、私は胸に込み上げるものを止める術を知りません。彼らの口から出る言葉が、どれ程物事の真髄をついているのか、思い知らされます。

私の父母は健在で、84歳と72歳。それぞれ17歳と1歳のときに渡日しました。まだまだ元気な父ですが、来日してからの苦労の時代の話を聞くことは、とても難しいです。
Posted by jae at 2006年09月06日 22:58
>日本にやって来て、どれほどの口に出さない思いがあるのかを考えるとき

こうやって、反日が受け継がれてゆくのだからたいしたことではないのでは?
Posted by へぇ at 2006年09月08日 01:37
日本人、在日がお互いを認め合うことが重要。

ひとつ、教えて欲しい 今の日本で差別はあるのでしょうか?

この、平和ボケしてタブーを極力闇に葬りすべてが知らされない現代日本において差別はあるのか。特に20代、30代の日本人は何も知らないため 在日の人にたいする偏見はないはず。(何も知らされていないため偏見なく接せれる) 逆にイロイロ教えられている在日の人は驚くはず。

もう やめましょう お互いを罵りあうのは、日本という土地に生まれた同士として30代以上の両者は 未来志向で進むべきです。

このブログのコメント欄で帰化したくても韓国に出生届けを出してないから書類が手に入らなく帰化できないとありましたが、子供、孫のこと考えたらそのくらいの手間はなんともないははず。もっと、未来志向に。。。。
Posted by 未来 at 2006年09月11日 01:41
自分はどちらかというと右巻きな人間です。
まず、お婆さまの冥福をお祈りします。
日本にこられて、それだけの子、孫を残したということはかなりのご苦労だったのでしょう。
私の祖母は92歳になりますがまだ元気に生きております。最近になって祖母と戦時中や戦後の話をするようになり色々な事を考えるようになりました。
今でこそ日本も韓国も富むようになり生活水準も他国に比べてよいですが、昔は大変だったそうです。
裕福になった今だからこそ、そうしてくれた先祖に対して敬意を払って生きていきたいですね。
Posted by ライダー at 2006年09月12日 19:08
今横浜に遊びに来ています。
帰りの新幹線まで時間があるので、ネットカフェから一言書こうと思って。。

在日3世、主人が日本人の為、現在帰化申請中。
主婦、32歳、三人の坊主の母でもある。
(子供は全員主人の方の日本国籍で、日本人)

以上、自己紹介としますが。。

まず私なんですけど、祖父母は日本に出稼ぎで来日して、そのまま居座っちゃった方ですし、親戚皆そうです。
他の在日だって、そうなんですよね、実は。。
なんで、強制連行があったとか嘘を言うのか、本当に分かりません。
そんな嘘、もうやめた方がいいのにね。。

別に自分で出稼ぎに来たからって、恥ずかしいわけじゃなしに。。

ま〜、そう言っておけば、日本人に対して優位に立てると計算してるとは思うのですが、みっともないですね〜。
私はそういう人たちとは、関わりになりたくないですし。

今の三世とかで、民潭員を省き、韓国韓国って言ってる人、何人いるのでしょうか?
私の周りにはいませんけどね。。
そんなものではないですか?!
時代の流れと言うか。。

二百年後には、在日って言葉自体消えてる可能性高いし、私は自分の子供に私の血が流れ、子孫に伝わって行くだけで満足です。

以上、ちょっと毒舌なビュンでした。(本名です)
Posted by ビュン at 2006年10月08日 13:57
>黄さん
はじめまして、このblog〜ブログを読んでいただき、またコメントありがとうございます。

おじいさんのお話書いていただき、繰り返しになりますが、ありがとうございます。

>jaeさん
はじめまして、このblog〜ブログを読んでいただき、またコメントありがとうございます。

>来日してからの苦労の時代の話を聞くことは、とても難しいです。
こちらから聞かないと、なかなか話を聞くのも難しい、私もそう思います。

>へぇさん
はじめまして、コメントどうも。
何度もこのblog〜ブログで書きましたが、安易に「反日」という言葉を使う人を私は評価しません。よろしくご了解ください。

>未来さん
はじめまして、コメントどうも。

うーん、なかなか答えづらいご意見ですね。ただ私の考えはちょっと違いますね。

>ひとつ、教えて欲しい 今の日本で差別はあるのでしょうか?
>
>この、平和ボケしてタブーを極力闇に葬りすべてが知らされない現代日本において差別はあるのか。特に20代、30代の日本人は何も知らないため 在日の人にたいする偏見はないはず。(何も知らされていないため偏見なく接せれる) 逆にイロイロ教えられている在日の人は驚くはず。

差別はあるというのが私の考えです。在日韓国・朝鮮人だけでなく、さまざまな点で差別や偏見はあると思います。もしないと思われているのでしたら、私と未来さんは事実に対する認識が違うのだと思います。

また以下の部分については違和感を感じました。

>このブログのコメント欄で帰化したくても韓国に出生届けを出してないから書類が手に入らなく帰化できないとありましたが、子供、孫のこと考えたらそのくらいの手間はなんともないははず。もっと、未来志向に。。。。

そのくらいの手間はなんともないはず、といわれますが、同じような状況に置かれてない人間には分からない事実もいろいろとあると思います。未来さんは未来志向かもしれませんが、少し安易にコメントされている気がします。

>ライダーさん
はじめまして、右巻きであろうとなかろうと、祖母の冥福を祈っていただき、またコメントをいただきありがとうございます。

>ビュンさん
はじめまして、時間のないなか、おそらくは子育てに奮闘していらっしゃるであろうなか、コメントありがとうございます。

別に毒舌ではないですよ。

ただ在日韓国・朝鮮人を巡る状況についての私の考えは違います。確かに「出稼ぎ」さった人は少なくないのでしょうが、状況はそれほど簡単ではないと思います。

さっき、在日韓国人だった私の祖母は二度、日本にやってきた
http://pknj.seesaa.net/article/25165189.html

という話を書きました。ビュンさんは私の祖母や母は出稼ぎで来た人だといいきれますか。私は簡単に、出稼ぎといいきるのは難しいのではないかと思います。

それでは子育てがんばってください。

みなさん、返事遅くなりました。申し訳ありませんでした。
Posted by knj at 2006年10月10日 01:11
びゅんさんへ
私は100%日本人なんですが、なぜか在日や朝鮮民族のことに興味があるんです。社会人になって2〜3人の在日と関わったこともあるんですけど、びゅんさんが正直におっしゃった「強制連行の嘘」にひっかかってるんです。
もっとはっきり言えば、どうして平気で嘘がつけるんだろうか、そういう人たちの心理といいましょうか、生き方といいましょうか、すごく興味があるんです。
しかし、そういう文化のようなものが日本に根付いてしまうのは大反対ですが。
Posted by ひろ at 2008年06月23日 15:56
>ひろさん
はじめまして。返事遅くなりました。
この話、私は詳しくありません。コメントを書いてくれたびゅんさんも、ここに頻繁にいらっしゃっているとは思えません。
強制連行の話に興味があるなら、ご自身の時間の許す限り、いろいろと調べられたらどうでしょうか。じっくりと調べられれば、何かの答えは出てくると思います。
Posted by knj at 2008年12月31日 15:00
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